実店舗開店までのあれこれ

ご無沙汰しておりました。

半年ぶり以上になるでしょうか?

実はこの月末に神戸市灘区城内通5-6-8に実店舗か開業いたしました。

今回はその過程をご紹介してみようと思います。

さて、まず最初に彼の地にお店を出すに至った経緯は、さる方からのご紹介で訪れた際、大きな窓と白いタイル張りの壁のなんともレトロな感じが大変気になったからでした。
すぐさま不動産屋さんに連絡し、内覧させてもらいました。
決めてしまいました。

そもそも近隣の家賃相場や人の往来を考慮にいれずにですから、ずいぶんと慎重さに欠いた行動だったと思います。

↓が当時の外観と内装です。


しかしこの物件、少し内装に難があったのでした…。



こちらの物件は以前麻雀サロンが入店しており、いまでも外看板の一部に意匠を残しております。

前店舗が麻雀サロンだけに、ひどいヤニの臭いと長年借り手がなく放置状態の店内はカビの温床と化し、とても居抜きで使用できる状態ではありませんでした。
全面改装必至の物件だったのです。

さりとて、開業資金も限りある中で、全面的な改装は想定外のことした。とても専門業者の手を借りることなど出来ません。

そしてこからが、自分とこの店内との格闘の歴史〜ぼくとあいつの30日戦争〜です。

自分は人知れずこのひと月あまり、内装屋として活躍しておりました。作業ズボンとよれよれTシャツがユニフォームです。
戦いは熾烈を極め、ご近所往来の応援がなければ、頓挫していたかもしれません。


さて、自分が最初に着手したのは天井の塗りかえでした。
ヤニにより茶色く変色した天井に、もう一度あの頃の白さを取り戻させる作業です。
一度二度塗りでは斑になります。元来既製の刷毛ではごつごつした天井の奥までペンキを塗布する力がないため、叩き付ける様に塗り付けていきます。
この作業により、しばらく首がコリ、腕が筋肉痛に見舞われました。
多大の犠牲は払いましたが、見事、天井の合戦に勝利しました。

続いて、今回の天王山。壁紙張り替えとカビの除去です。
まずはヤニにまみれた壁紙を剥がし行くと、壁一面のカビカビカビ…。
それを薬剤師さんに相談して決めた薬品を塗り付けています。すでにこの時点で咳が止まらず、
腹痛が数日つづくという攻勢を受け、大ピンチ。
さらに木の柱回りに至っては、カビの根が深く木を腐らせ、薬品消毒では対処できない状態でした。
そうなれば、一度壁を剥がして、木を張り替えるより他ありません。

※こうしてやりました。

その後に白の壁紙に張り替え、ヤニの痕跡を絶ちます。
最近の壁紙はすでにのりを塗っているタイプのものがあるので存外簡単に張り替えることができます。

この戦いに辛くも勝利し作業は最終局面に入ります。

最後に立ちはだかるのは、そう意外な難敵、床張り替えです。
まずは褪色によりオレンジ色から柿色にジョブチェンジしたクッションフロアを剥がしていきます。
こいつがクッションとは名ばかりの代物で、カチカチで、桃の皮をキレイに剥がすくらい難易度の高い作業でした。
桃の果実が露わになった後は、パネル状の木を貼っていきます。コンパネという呼称のものです。
コンパネをコンクリート用接着材でくっ付けた後は、いよいよフロア材を貼っていきます。

※この床が

こうなります。

その後、数多の小競り合いを経て、店内を制圧した自分は、その上に堅牢な本棚を築き今に至ります。

↓現在の外観と内装

というのがこのひと月のとで、期間中たくさんのひとにお世話になり、励ましの言葉を頂戴し、がんばることができました。
ここに改めて感謝いたします。

ここにこうして本屋としていられる歓びを初心としてずっと持ち続けたいと思います。